育休から復職せずに退職したいと思った時に考えたいこと

3月。この時期の人事の仕事の一つに“育休から復帰する方の配置と受け入れ準備”があります。
保育園の合否がだいたい2月末までには出るので、そこで決まった方とは復職の手続きを進め、決まらなかった方とは今後どうするのか(認可外に入れて復職するか、育休を延長するか等)を話し合い、会社側での準備を進めていきます。

復帰したいけど保育園が決まらなくて…という困りきった声もよく聞きます。私も保活は本当に大変でした。。

そして同時に、この時期になると発生するのが「育休から復職せずに退職する」という話。それ自体が良い悪いと言うことではないものの、その先の人生にも大きく影響があるのでその時の気持ちだけで安易に選択しないでほしいと思っているので、その辺りを整理してみます。

育休から退職の背景は様々

前提として「育休から復職せずに退職する」といっても、その背景は様々です。

一つは、保育園が決まらないまま育休を取れる期間が終了してしまうパターン。子どもの預け先が確保できず時短でも戻れないのでやむを得ず退職するといったケースです。こういった方の対応が会社としては本当に心苦しいのですが、体感値としては最近はこのパターンはへ減ってきていると感じます。

もう一つは、保育園に受かったけれども自分で子どもの世話をしたい・子育てに専念したい気持ちが芽生えるパターン。産む前は復職しようと思っていたが、いざ子育てをしてみたら気持ちが変わったというケースです。専業主婦になる方や、子育ての時間がより多く確保できる仕事に転職する方など、その先の進路は様々です。

また他にも、そもそも専業主婦希望でMAXまで育休を取ってから辞めようと決めていたパターンなど、本当に退職の背景は様々です。

全てがネガティブ・ポジティブではないという部分を理解していただきたいと思います。

ワーママの転職はかなりシビア

結論から言ってしまうと、私は育休からの退職は避けられるなら避けるべき、という意見です。

先述の通り様々な理由から復職せずに退職する方がいらっしゃいますが、その後一生専業主婦でいるというごく少数の場合を除いて、ほとんどの人がどこかのタイミングで、何かしらの形で仕事をすることになるはずです。

例えば子育てに専念したい・子どもともっと過ごしたいと思って退職して、数年後に子どもも大きくなってきたので仕事をしようと思ったとしてもキャリアのブランクがある状態の転職活動はなかなか厳しいものがあります。

また、育休中に転職活動をする方も多いです(私もその一人でした)が、働きやすさを重視した仕事選びをしてしまうと会社側もなかなか採用するメリットを見出せないですし、働きやすさ以外の面でミスマッチがあったり、長い目でみると仕事のやりがいやキャリアに希望を持てないといった弊害も起こり得ます。

またワークライフバランスが重視できる仕事の求人の中で、待遇面でも良い条件のものを見つけるのはさらに至難の業です(言い方はアレですが、足元を見られている感じが個人的にしてしまいます。これはまた別の機会に記事にしようと思います)

このような理由から、小さな子供を抱えた状態での妥協した転職や、キャリアブランクを自ら選択して生んでしまうことは避けたほうが良いと思います。

続けられるなら復職して、チャンスを伺おう

じゃあどうするのが良いのかというと、復職ができるのであれば復職をして、仕事と育児の新しい生活リズムを作り、その間に長期的にゆるく転職活動を継続するというのが個人的なオススメです。

子育てと仕事のバランスを取るのには数ヶ月はかかりますし、その間は慣れ親しんだ職場で過ごすのが得策だと思います。また仕事で成果を出せれば、子供がいながらも働ける・活躍できることが証明でき転職活動を有利に進めることもできるかもしれません。

そして何より、時短でも良いので“仕事をしている状態を継続する“ことが人生100年時代の長い職業人生の中では役に立つはずです。時代も少しずつ変わってきてはいますが、まだまだワーママの仕事探しの難易度は高いのが現実ですので、そこはぜひ意識していただきたいと思います。

焦って決断をせずに今ある繋がりを大事にしながら、子どもの成長とともに自分自身も柔軟に人生の選択をしていくことが、この先の人生に繋がっていきます。本当に退職して良いのか、ぜひ家族とも相談をしながら後悔のない選択をしていただきたいと思います。

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