子どもがいるとキャリアアップはしにくい?【人事によくあるお悩み相談】

こんにちは、なおです。
社会人になって以来、ほぼ人事畑で過ごし、現在はとあるグローバル企業でHRBPをしています。

HRBPはその名の通りビジネスパートナーとして、ヒトの観点から企業の成長に貢献する仕事です。なので「採用」や「労務」と言った分かりやすい役割があるわけではなく、事業や組織の成長に必要なことは全て自分の守備範囲、「何でも屋」的な仕事でもあります。時には経営と事業計画をもとに未来のあるべき組織を議論し、時には従業員からの悩みごとを聞いて解決する…といったこともしています。

そんな中で、よくいただくお悩み相談についてシェアしていきます。

今回は「子どもがいるとキャリアアップしにくい?」というお悩みを考えてみます。


「子どもがいるとキャリアの選択肢が狭くなりますよね?」「結婚・出産する前にできるだけキャリアアップしておきたくて…」こういった質問や声を、意外とまだ結婚もしていない若手の女性社員からいただくことが多いんです。

子どもがいる上司が身近にいないとか、
役職者になってから出産している人が多いとか、
仕事ができるのに子どもがいて出世してない先輩を見て…等々、

背景は人それぞれですが、子どもがいるとキャリアアップしにくいのかな〜と不安になってしまう要素が身の回りにたくさんあるんだろうなと思います。

では、実際にお子さんがいるとキャリアアップしにくいんでしょうか?

逆を返して、「お子さんがいない方がキャリアアップしやすいか?」と問われると、確かにそういう側面はあるかもしれません。

子どもがいない人は100%仕事にコミットできる

なぜ子どもがいない方がキャリアアップしやすいかというと、お子さんがいない方は自分のことに100%時間を使うことができるので、仕事に全力投球しやすい状況にあるからです。

ビジネスマンとして成長するためには、ある程度の仕事量をこなして質を高めていくことや、仕事のことばかり考えて時間を過ごすこと、またプライベートの時間で本を読んだり仕事に関するスキルを習得するといったことも必要です。誰しもが直線的に成長できるわけではなく、寄り道をしたり上手くいかない経験をしながらレベルアップしていくもです。その試行錯誤には時間も機会も必要です。

また、仕事の評価には絶対評価な側面と相対評価の側面があります。例えばリーダーなど役職に就きたいと考えているなら、ポジション数には限りがあり、他の候補者と比較・評価されることになります。

ビジネスマンとしての成長には時間と機会が必要、そして相対的な評価の中でキャリアアップをしていくことを考えると、子どもがいない方が有利ではあると言えるでしょう。

子どもがいてもチャンスは十分にある。まずは意思表明から

じゃあやっぱり子どもがいるとキャリアアップしにくいのか?と言われると、矛盾しているようですが、実際そうでもないと思うんです。

私が接してきた子育て社員(主に女性)の多くは“キャリアアップをしたいと積極的に言いにくい“と考えている方が多くいました。フルタイムで働いているワーママでも「何かあったときにフォローしきれない気がするし」とか「子どもの成長によってこの先も働き続けられるか分からないし」と先のことを心配してなかなか仕事の向上心を表に出すことをしていない方が多くいます。

また上司側も「優秀だけどお子さんがまだ小さいからどこまで仕事で求めていいか分からない」と悩んでいるパターンもよく見かけます。

お互いに遠慮しあってキャリアアップにブレーキをかけてしまっているということが起きています

先ほどお伝えした通り、キャリアアップは相対的な側面もあるものですから、このような状況の中でワーママであるあなたが「私は子どもがいても仕事を頑張りたいしキャリアアップしていきたいんです!家族も理解してくれて協力体制もあります!」と宣言したらどうでしょう?

キャリアアップしたいという意思を表明できる覚悟がある時点で、他の人よりも一歩も二歩も前に出ています。

上司目線で考えても、そのように向上心を持って挑戦する人は応援したくなりますし、また会社目線でも、昨今の女性活躍推進の流れもあり、ママ社員のロールモデルとなりうるような人材を創出して行きたいという想いもあるはずですから、サポーターは得やすいはずです。

本気で狙うならキャリアアップの戦略を立てる

覚悟を持ってキャリアアップを狙うなら、まずは上司を巻き込んで作戦会議をすることをオススメします。これは既に子どもがいる人だけではなく、これから妊活を始めようと思っているけど復帰したら仕事も頑張りたいと考えている未来のワーママさんも含めてです。

そこまでする必要ある?と思うかもしれませんが、先述のように子どもがいる場合、やはり子なしの方と比べると仕事へのコミットは下がってしまいます。狙いを持って具体的に行動をしなければ成長機会を得られませんし、結果としてキャリアアップに時間がかかってしまうかもしれません。

まずは日々自分のことを見てくれており、評価する立場でもある上司と率直に以下のようなことについて話してみてください。

  • キャリアの目標は何か(いつまでにどんな状態でありたいか)
  • それを実現するための自分自身の課題は何か
  • それをどう改善していきたいか
  • 成長機会として、どんな仕事を任せてほしいか 等

このようなことを事前に相談しておけば、上司もあなたがどうしたいのか理解できますし、あなたも子育てとの両立で時間がない中でも具体的な指針を持って行動をすることができます。

あとはあなた次第。必要な努力をして実際に成果を出していれば、チャンスは自ずとやってくるはずです。もちろん困ったりつまずいたりしたら上司・同僚や人事にも相談しながら、一人で抱え込まずに頑張っていきましょう!


今回は「子どもがいるとキャリアアップしにくい?」というお悩みについて考えてみました。

まとめ

・仕事に100%コミットできるという点で、子どもがいない人の方がキャリアアップに有利ではある

・子どもがいてもキャリアアップを狙いたいなら、まずはきちんと意思表示すべし

・周囲を巻き込んで戦略を立てることで、キャリアアップへの道筋が具体的になる

まずは、あなた自身が“子どもがいることを不利な理由にしない“こと、そして自分の意志・希望をちゃんと発信して、周囲の協力を得ながら少しずつでも前進することが大切です。

“キャリアアップしたいから子どもを持たない“も一つの選択ですが、自分の人生なので後悔のないように、何を優先すべきかパートナーとも話し合ってみていただきたいと思います。

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