こんにちは、なおです。
社会人になって以来、ほぼ人事畑で過ごし、現在はとあるグローバル企業でHRBPをしています。
HRBPという仕事はその名の通りビジネスパートナーとして、ヒトの観点から企業の成長に貢献する仕事だと思っています。なので「採用」や「労務」と言った分かりやすい役割があるわけではなく、事業や組織の成長に必要なことは全て自分の守備範囲、「何でも屋」的な仕事でもあります。時には経営と事業計画をもとに未来のあるべき組織を議論し、時には従業員からの悩みごとを聞いて解決する…といったこともしています。
そんな中で、よくいただくお悩み相談についてシェアしていきます。
今回は「今の会社で、この先のキャリアが見えない」というお悩みです。
「歳もあるし、今以上に自分が貢献できることが分からない」「今の場所からキャリアアップできる気がしなくて…」といった声を同じ会社で長く働いているベテラン社員や、成長停滞期の若手・中堅社員の方からよくいただきます。
前者は、ある程度キャリアを積んで、それなりの立場にいて、仕事にはやりがいはあるけどこの先自分はどう発展していけるのか？と悩んでいる状態。
後者は、仕事内容にあまり変化がなかったり、昇進や昇格のチャンスも得られず滞留感があり、このままここにいていいのかなな…と悩んでいる状態。
「今の仕事をこのまま続けても先が見えない」「自分はこれからどうなっていくんだろう」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか？
まず大前提として、あなたの人生はあなたが作っていくしかありません。
終身雇用はもはや過去のものですので、今の会社は長いキャリアの中の一つの期間として捉えてながら、世界や社会に広く目を向けて、自分には何ができるのか？何がしたいのか？を時間をかけて追求していく必要があります。
「今の会社での先が見えない」と話す方は、会社が引き上げてくれる、チャンスをくれると無意識に思っているのではないでしょうか？
もちろん会社は従業員を守り育て挑戦機会を与えますが、それは最終的に会社の成長に繋がるからであって、あなた個人の人生を考えてカスタマイズすることは現実的には不可能です。だからこそ、今の仕事が自分の人生においてどう生かされるのか、何をしていきたいのかといったことは自分自身で考えなければなりません。
私がこういった質問を受けたときには、最初に「この会社でやってみたいことはありますか？どう活躍していきたいイメージですか？」と聞きます。そして、やりたいことや目指す姿のある・なしによって、以下のような話をしています。
まずは、やりたいことや目指す姿が「ある」場合です。
これはそこまで確固たるものでなくても、「今はこれがしたいと思っている、これの分野に興味がある」くらいでも大丈夫です。
希望のキャリアがあるのであれば、それを実現するために何が必要なのか（今、何が足りないのか）を洗い出して、いつまでに実現したいのかを考えた上で、逆算して必要なスキルを身につける・経験を積む、ということをしてみてください。
何が必要なのか？今の自分には何が足りないのか？どこを伸ばしたらいいのか？については上司や人事に相談してみてもいいと思います。
あなたの行動や変化は上司・会社も必ず見ていてくれます。何も行動しなければ何も変わりませんが、少しずつでも行動して成長し続けることで望む仕事に挑戦できる可能性が高まります。
また、成長しようと努力したそのプロセス自体が後々あなたの力になるので、ぜひ前向きに取り組んでみてください。
次に「やりたいことと言われても思いつかない」というパターンです。
こちらの人の方が多いのではないでしょうか？
明確な目標がないのであれば、下手に外に目を向けて不安になるのではなく、まずは目の前の仕事に全力で取り組んでみるようにお話しています。
何がしたいのか分からない状態で悩んで転職して新しい環境に飛び込んだとして、その中で見つかることももちろんあると思いますが、転職活動の負担や環境が合わない可能性もあります。また、闇雲に手を出しても全部中途半端に終わってしまうことも考えられます。
であれば、まずは与えられた仕事にしっかりと向き合い、そこで成果を出す方が簡単ですし、成果が出せれば自ずと次のキャリアが見えてきます（それが今の会社か他の場所かなのかは分かりませんが）。また目の前の仕事に向き合う過程で自分の得意不得意や、やりたいことが見つかるものですので、それがぼんやりとでも見えてきてから「今の会社にいていいのかな」と考えても遅くないと思います。
悩んだら、「自分は今の仕事に100％で取り組めているかな？」と自問自答してみてください。
もちろん、今の場所でやりきっているのであれば環境を変えるのも一手なので、考えた上で動いた方が良いと思うのなら迷わずに行動を起こすべきだと思います。
今回は「今の会社で、この先のキャリアが見えない」というお悩みについて考えてみました。
- 会社はあなたの成長・キャリアを後押ししてくれるが、あなたの人生まで背負ってはくれない。自分の人生は自分で築いていく強さを持って！
- 目指したい状態があるなら狙って仕事を取りに行く。必要であれば環境を変えることも検討。
- 明確な目標がないなら、外に目を向ける前に、目の前の仕事に全力投球して道を拓く
人生100年時代、一つの場所でキャリアを積む方が珍しくなってきていると思います。誰もが、今の場所にいていいのかな？と悩むタイミングはあると思いますが、良いチャンスと捉えて自分の人生・キャリアを棚卸ししてみてもいいかもしれませんね。
