人事をオススメしない8つの理由

前回は人事の仕事の好きなポイントをご紹介したので、今回は逆に、人事をオススメしない理由を紹介します。

  1. 人のネガティブな部分に触れる
  2. 仏にも鬼にもならなければならない
  3. キャリアの栄枯盛衰を目の当たりにする
  4. 自分の評価がなんとなく分かってしまう
  5. プライベートでも人事評価してしまいがち
  6. 表立って褒められることが少ない
  7. セルフメンタルケアが必要
  8. 求められるスキルが高くなっている

1. 人のネガティブな部分に触れる

以前のブログでも書きましたが、人事の仕事をする上では人の悪意や闇といったネガティブな部分に触れることもあります。

仕事では出さない顔や、弱み、人の好き嫌いなどは誰しもありますよね。それが何かのきっかけで表に出てきて会社や周囲にマイナスの影響を及ぼす時、人事が会社の代表として対応をしていかなければなりません。

人の内面のギャップを目の当たりにしても、それを受け止めて冷静に判断・対応できることが求められるので、正直、向かない人には本当に向かない仕事だと思います。

2. 仏にも鬼にもならなければいけない

人事の仕事は優秀な人材の育成などポジティブな仕事と、課題人材の対応などのネガティブな仕事の両方を扱います。

正しいことや素晴らしいことをやっていれば評価する、間違ったことをしていれば指導すると言ってしまえば単純なことなのですが、いつも素晴らしい人やいつも間違っている人というのはそうそういません。非常に優秀で活躍している人に対しても、就業規則に違反することや会社の価値観に反すること、倫理的にNGなもの等に対しては毅然した対応をする必要があります。

相手からしたら「この前までは評価してくれていたのに」と感じるかもしれませんが、誰にも傾倒せず、寄り添うけれども深入りしすぎず、時に仏にも鬼にもなれることが人事には求められます。仏の顔と鬼の顔の両面を使いこなすために自分自身の気持ちの整理や折り合いをつけていくことも必要になります。

3. キャリアの栄枯盛衰を目の当たりにする

会社には新陳代謝があります。採用しても人が純増するわけではなく、同時に辞める人もいて常に入れ替わりながら成長していくものです。

若手の時は仕事ができなかったけれど数年努力してメキメキ実力がつき始めたという成長ストーリーもあれば、昔は活躍していたけれども今やお局と化しているというような次のキャリアに進まなければいけないタイミングの人もいるということです。

特に長く同じ会社に勤めると、そういったキャリアの浮き沈み、入り口から出口までを見ることになります。

時代や会社の状況の変化によって求められる人物像や仕事の仕方は変わっていくものなので、入社から退職まで、常に活躍できる人はなかなかいないものであることはわかってはいますが、一時は輝いていた人が(悪くいうと)落ちぶれていく様子を見るのは辛いものがあります。

4. 自分の評価がなんとなく分かってしまう

人事をやってて良かったポイントの中で「自分を客観視できる」という項目を挙げましたが、客観的に捉えられることで、自分自身の能力のレベル感や弱み・足りない部分も見えてきます。したがって、自分がどう評価されているかも何となく分かってしまうことになります。

これは別にネガティブなことではないかもしれませんが、常に「頑張らないと」と自分を追い込んでしまうことにも繋がるので周りの評価が気になる方にとっては結構キツいかもしれません。

ネガティブなところよりもポジティブなところを見るようにしていけるとプラスに活かせるかもしれませんね。

5. プライベートでも人事評価してしまいがち

これは人事あるあるだと思っているのですが、、プライベートで仕事の話をしている時に人事的な視点で話を聞いてしまいがちになります。

例えば上司に関する愚痴を聞いていたとすると、「こういう風に働きかけてみたらいいのでは」「もう一段の上の上司に相談して、それで改善が見込めなければ人事案件だな」とかいろいろ考えてしまいます。

また恋愛的な出会いがあっても、その人が仕事ができる人なのかどうか、仕事への価値観や将来性などを確かめるような質問をしてしまいがちです(やりすぎると「面接かよ…」ってなるので要注意です)。

プライベートと仕事を完全に切り離すのは難しいですが、勝手に評価して相手に不快感を与えないように注意が必要です。

6. 表立って褒められることが少ない

人事は営業の予算のようにわかりやすい定量目標を持つことは少なく、また表に立つよりも縁の下の力持ち的な仕事が多いと思います。さらに、例えば勤怠管理を担当している場合、36協定を遵守できているのが普通で違反者が出てしまったらマイナスになる等、「ルールに則した状態を守る」のが仕事であったりもします。

このような理由から、全社の前で褒め称えられたりすることは少ない仕事だと思います。

まあ、自分がスカウトして採用した人が表彰されたら「その人を採用した私の成果でもあるのでは!?」と思ったりはしなくはないですが、自分よりも他人を引き上げる仕事ということですね。

7. セルフメンタルケアが必要

自身の感情のコントロールはどの仕事であっても必要ですが、特に人事をする上では常にメンタルが安定していることは重要です(冷静に考えて、情緒不安定な人事なんて不安ですよね…)

仕事内容的には退職・休職の対応等々、感情を揺さぶられるような場面も多いので、気持ちの折り合いをつけていくことや、自分自身がストレス発散できたりリラックスできる方法を知っていることが必要になります。

人事の方と話していると、リラックスするための趣味やルーティンを持っているという話もよく聞きます。
お風呂にゆったり長めに入る、好きなアロマを焚く、ランニングや筋トレをする等、仕事から意識的に離れる時間を作ることがセルフコントロールする秘訣なのかもしれないですね。

8. 人事に求められるスキルが高くなっている

人事の役割は時代とともに変わってきています。昔は「人材」の「管理」が中心でしたが、終身雇用の時代が終わり人材の流動性が高くなったことで「人財」を「どう活かすのか」を考え実行するという側面が強くなってきています。

また、いわゆる管理部門の性格が強かった人事も、HRBPというポジションが確立してきているように、経営のパートナーとして経営戦略に基づいてヒトに関する戦略を立てて実行し、会社や事業の成長に貢献することが求められるようになっています。

上記のような状況の中で、人事として求められる能力やスキルも高くなってきています。

採用などの仕事は未経験からでも始められますが、簡単な仕事ではありませんし常に向上心を持って学習し続けることが必要です。また世の中の動きや会社の状況を適切に捉え、人事としてのあるべき姿を自ら描いていく(描こうと試みる)姿勢を持って目の前の仕事に臨むことが大切だと思っています。


人事をオススメしない理由を8つ挙げてみましたが、いかがでしたでしょうか?

どの仕事にもポジティブ・ネガティブの両面があるものなので、人事の仕事の特徴として捉えてもらえればと思います。

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